■勝敗に関係なく笑顔を創れるか
クラブ、選手やスタッフ、サポーター、協業企業など、プロスポーツには多くの人や団体が関わる。多くの場合、それはサッカーチームとしての活動が主である。そして、その部分で笑顔が生まれることを目指す。
一方で、チームの強化や勝敗とは関係ない部分で笑顔を創り出そうとする人たちもいる。勝負は水物。常に勝てるわけではない。だからこそ、負けた中でそれでも誰かに心に訴えかけることができるか。
この日、等々力競技場の一角で「親としては、“また行きたい”って思ってくれたことがとにかくうれしい」と話したある母親の素敵な表情は、この試合のハイライトの一つだろう。
新潟戦の敗戦で、川崎はリーグ優勝の可能性が消滅した。それでも、天皇杯とACLのタイトル獲得の可能性はまだ残っている。そして、勝敗に関係なく笑顔を創り続ける目標も、まだ取り組むことができる。
(取材・文/中地拓也)