【J2「静岡勢明暗」】ジュビロ磐田、痛恨ドローでJ1自動昇格「圏外」3位転落!4位・東京ヴェルディ含め事態は混とん!!プレーオフ出場圏には後半戦絶好調のジェフユナイテッド千葉が急浮上!【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
磐田J1昇格へ――大ベテラン遠藤保仁の力は欠かせないだろう  撮影:中地拓也
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■磐田はスコアレスドローで3位に後退

 サックスブルーが苦しんだ。

 J2リーグ第35節が9月16、17日に行なわれ、2位のジュビロ磐田は19位のレノファ山口FCと対戦した。

 首位のFC町田ゼルビアを勝ち点6差で追いかける磐田は、勝点1差で3位の清水エスパルス、勝点2差で4位の東京ヴェルディの足音も聞きながらの戦いである。この日はボランチの鹿沼直生が累積警告による出場停止で、同じくボランチの山本康裕は前節の途中交代の影響でメンバー外だった。

 横内昭展監督は出場停止明けのMF上原力也とMFドゥドゥをダブルボランチに指名し、途中出場で2試合連続得点の藤川虎太朗がトップ下で、2試合連続アシストの古川陽介が左MFで先発した。藤川は3試合ぶり、古川は5試合ぶりのスタメンである。

 3試合連続で先制点を許している磐田は、ミドルゾーンにブロックを敷いて守備を整える。しかし、3-4-2-1のシステムで幅を取る山口にブロックを広げられ、横のスライドが追いつかない場面が散見された。ボールの狙いどころが定まらず、自分たちでボールを動かす時間が限定的となってしまう。32分に藤川がペナルティエリア内からシュートを放った場面が、前半の数少ない好機だった。

 後半は前線から規制をかけていき、敵陣でプレーする時間を増やしていく。横内監督はFW後藤啓介、MF金子翔太、さらには9試合ぶりにメンバー入りしたベテランMF山田大記らを投入するが、相手守備陣を崩し切ることはできなかった。スコアレスドローで、勝点1に止まったのだった。

 試合後のフラッシュインタビューで横内監督は、「失点0は評価します」と話した。ボールを握られる時間はあったものの、山口をシュート6本に抑えて4試合ぶりのクリーンシートを達成した。

 一方、攻撃については「自分たちの良さを出せなかったというか、物足りなさがあった」と厳しい。無得点は5月3日の東京V戦以来、およそ4か月半ぶりだ。チームトップの9得点をあげているFWジャーメイン良はシュート1本、同7ゴールの後藤はシュートなしと、得点源に決定的なパスを供給できなかったのが悔やまれる。

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