サッカー日本代表はドイツ代表と対戦し、4-1の快勝を収めた。昨年のカタール・ワールドカップでの顔合わせに続く、強国相手の連勝だ。この勝利には大きな意味があり、また新たな疑問も湧き上がる。サッカージャーナリスト・後藤健生が、ドイツ戦と「その後」について考察する。
■呼ばれなかった好調アタッカー
ドイツを相手に4ゴールをたたき込んだ日本の攻撃陣。それぞれの選手がヨーロッパのトップクラブに所属し、しかも今シーズンは非常に順調なスタートを切っている。その結果として、ドイツ戦での伊東純也のプレーなどを見ても、自信を持ってプレーしているように見える。
三笘薫のドリブルはドイツ代表も非常に警戒を高めていた。三笘の存在によって右サイドバックで起用されたヨシュア・キミッヒはかなり気を使わざるをえなくなり、彼の攻撃参加を牽制する効果は大きかった。
また、終盤に(追加タイムを含めて)わずか20分ほどの時間しか与えられなかったにも関わらず、久保建英はまさにレアル・ソシエダで毎試合のように披露しているプレーを再現して2ゴールを生み出した。
今シーズンの各国リーグでの活躍ぶりを考えれば、日本代表の得点力が上がっているのは当然ということになる。
しかし、日本人FWで結果を出しているのに今回招集を見送られた選手がいる。ASモナコの南野拓実である。
南野は、森保一監督の下で代表の攻撃陣の中核としてプレーしてきた選手だ。ただ、リバプール移籍以降プレー機会を減らし、昨年モナコに移ってからも出場機会は増えず、明らかにパフォーマンスを落としてしまっていた。代表からはずされたのも当然のことだった。
だが、今シーズンの南野はアドルフ・ヒュッター監督の下で先発のポジションを取り戻し、開幕以来すでに4ゴールを決めている。しかし、9月の代表活動でも森保監督は南野の招集を見送った。
南野は、セカンドトップまたはトップ下の選手として前線でタメを作れる選手である。ドイツ戦では、トップ下に入った鎌田大地が神出鬼没の動きで攻守に貢献したが、南野が入ればより攻撃力が高まるはずだ。
森保監督は、いったいなぜ、大迫勇也と南野を招集しないのか? 日本中のサッカーファンが抱いている疑問だろう。