■FW起用のコンセプトは?
もう一つ、大迫と南野を招集しない理由があるとすれば、日本代表は今後もカタール大会でやったように“走るFW”を並べることを基本コンセプトとするからなのではないか?
ヨーロッパや南米の強豪国と対戦すれば、やはり相手にボールを握られる時間が長くなるから、守備で耐えてカウンターを狙うサッカーで対抗する……。
それが、カタールで成功したやり方であるし、相手との力関係を考えれば、それを続けるべきだ。そうだとすれば、大迫や南野を前線に置いて、ポストプレーを使ったサッカーに切り替える必要はない(あるいは、異なった要素を入れることで代表のサッカーに混乱を招く危険は犯すべきではない)。森保監督は、そう考えているのかもしれない。
しかし、日本代表の強化が進めば、ワールドカップの舞台でも対戦相手が引いて守ってくるような状況は起こりうる(先日の女子ワールドカップでは、ラウンド16で日本と対戦したノルウェーは、ゴール前に5人のDFを並べて守備を固めてきた)。
また、ワールドカップではドイツやスペインばかりと戦うわけではない。コスタリカを相手にしても確実に勝利しなければいけないのである。守備的な相手を崩す戦い方も準備しておくべきだろう。
いずれにしても、戦い方のオプションは増やしておくべきだし、森保監督自身もそう考えているはずだ。アジアカップが終われば再び「ラージグループ作り」が行われるだろうし、オリンピック終了後は“パリ世代”も加わってくる。
そんな中で、大迫は年齢的な理由で呼ばれない可能性はあるが、南野に再び声がかかるのは間違いない。まだまだ、日本代表のサッカーは成長し、そして姿を変えていくことだろう。