■進化を続ける33歳

「ポストプレーの重要性」。それを考えた時に思い出さざるを得ないのは大迫のことである。

 今シーズン、J1リーグで首位に立つヴィッセル神戸を引っ張っている大迫。得点王争いでは、すでに19ゴールを決めてアンデルソン・ロペス横浜F・マリノス)を2点リードしている。

 そして、今シーズンの大迫は圧巻のポストプレーを見せている。

 前線で足元に来たボールをキープして味方を使うことはもちろん、空中戦でも圧倒的な強さを見せている。かなりアバウトなボールでもロングボールをヘディングで味方につないでチャンスを作る。ポストプレーの幅が従来より広がっているのだ。

 さらに、最近は直接FKを決めてみたり、PKでも上手さを発揮。33歳になった大迫ではあるが、一段と風格を増しているように映る。

 ポストプレーができ、自ら点が取ることもできる大迫が現時点で日本人最高のFWであることは間違いない。

 しかし、昨年のカタール・ワールドカップを前に大迫をチームからはずした森保監督は、その後、一度も大迫を招集していない。

 カタール大会に参加したベテラン勢は、大迫以外も代表をはずれている。長くキャプテンを務めた吉田麻也やサイドバックとして貢献した酒井宏樹長友佑都などである。

 いずれも、現在でも日本代表でやっていくだけの力は持っている。とくに、人材不足が懸念される両サイドバックでは、現状が続けば酒井や長友の復帰もあり得ない話ではない。

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