「熱血漢FW」と「スピードあるストライカー」「ハードマークのストッパー」に共通する「会社員生活」【Jリーグを支えた「20年超え監督」たちの貢献】(1)の画像
人とチームを育てる監督が、Jリーグを支えてきた(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 Jリーグはことし、30周年を迎えた。さまざまな人が、それぞれの場所で仕事を果たしてきた結果である。サッカージャーナリスト・大住良之は今回、きらびやかではなくとも着実に結果を出し続けてきた3人の監督にスポットライトを当てた。

■熊本の快進撃

 J2のロアッソ熊本の天皇杯準決勝進出は見事というしかない。昨年もJ2のヴァンフォーレ甲府が2回戦から5戦連続でJ1勢を下して優勝を飾ったが、ことしの熊本も2回戦からJ1勢と当たり、コンサドーレ札幌、サガン鳥栖ヴィッセル神戸と3チームを退けてベスト4にはいった。

 勝利に沸く熊本ベンチで、真っ黒な顔をくしゃくしゃにして喜ぶ大木武監督(62歳)の姿が印象的だった。

 Jリーグ30年を代表する監督と言えば、西野朗(68歳)だろう。1998年から2015年にかけて柏レイソルガンバ大阪、神戸、そして名古屋グランパスとすべてJ1のクラブで指揮を執り、リーグ戦だけで524試合を戦い、270勝。Jリーグ優勝は1回しかないが、G大阪時代にはAFCチャンピオンズ・リーグで優勝、2018年には日本代表を率いてワールドカップでグループステージ突破を成し遂げている。

 それに次ぐのが、ヴェルディ川崎、名古屋、柏、神戸、そしてまた柏と、1995年からことし5月まで足かけ28年Jリーグで指揮を執ってきたネルシーニョ(73歳)である。空白期間はあるものの、J1とJ2で通算568試合の指揮を執り、263勝を挙げている。

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