大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第119回「帽子詐欺?」(4)中山雅史のギネス記録達成が思い起こさせる「チーム全員の献身」の画像
ゴールには不可欠なものがある(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は「大事なのは帽子ではなく、その中身」―。

■日本で生まれた大記録

 さて、Jリーグでハットトリックと言えば中山雅史である。ジュビロ磐田に所属していた中山は、1998年にJリーグで4試合連続ハットトリックというとんでもない記録を残した。1998年のJリーグ第1ステージ、初出場のワールドカップ・フランス大会を目前にしたころのことである。

 4月15日(第6節)のセレッソ大阪戦(9-1、アウェー)で5点、18日(第7節)のサンフレッチェ広島戦(5-0、ホーム)で4点、25日(第8節)のアビスパ福岡戦(7-1、アウェー=熊本)で再び4点、そして29日(第9節)のコンサドーレ札幌戦(4-0、ホーム)で3点。4試合で16ゴールという荒稼ぎである。当然、この記録はプロとしての世界で初めての記録であり、「ギネスブック」にも記載された。

 ただこれは、現在では更新されているらしい。2016年の11月にクロアチア東部のジャコボをホームとするドラーチチェ・ジャコボのFWスティパン・ルチヤニッチがNKズリンスキ・ドレニエに10-0で勝った試合で5得点を記録、これが5試合連続のハットトリックとなって中山の記録を破ったというのである。

 ドラーチチェはクロアチアのトップリーグから数えると「7部」に相当するジャコボ・リーグに所属するクラブ。それでもプロであるという。この勝利でドラーチチェは11戦全勝。ルチヤニッチは開幕戦では6ゴールを挙げていた。しかし彼は1984年生まれで当時すでに32歳。額は広く、お腹も太めの選手だった。どこにこんな力があったのだろうか。

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