■コアメンバーの1人と位置付け

 特に4月に右ひざじん帯断裂の重傷を負った田中碧の動向は注視しなければならない点。彼は第2次森保ジャパン初陣となった3月シリーズで初戦・ウルグアイ戦(東京・国立)の後半29分から出場しているが、新体制でのプレーはこの1試合だけだ。

 森保監督はカタールW杯最終予選で大仕事をした田中碧をコアメンバーの1人と位置付けているはずだが、現体制での出場機会が少ないうえ、所属クラブでも微妙な立場にいる彼をどう位置づけていくべきか熟慮する必要があるのかもしれない。

 そもそも田中碧自身としては、カタールW杯でのスペイン戦決勝弾という大仕事を機に、ステップアップを思い描いていたはずだ。それは今年1月の冬の移籍期間は実現しなかったが、「少なくとも夏には欧州5大リーグの1部へ行きたい」と熱望していたに違いない。そんな矢先に右ひざを負傷。デュッセルドルフも1部昇格が叶わないまま、昨季が終了。新たなシーズンに突入してしまった。

 ただ、8月28日の執筆時点でイングランド2部・リーズ移籍話が急浮上。何とか滑り込みで新天地が決まる可能性が高まってきた。それが本決まりになれば、彼自身も新たなモチベーションを持って前進できるようになる。日本代表での定位置獲得にも弾みがつくだろう。

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