■FW藤尾がPKを2本奪取!
1対0で迎えた後半も、町田は磐田の特徴を消していく。56分には、自陣からの縦パスに反応した藤尾が抜け出す。ペナルティエリア内まで持ち込むと、相手CBリカルド・グラッサに倒されてPKを獲得する。今度は自らがボールをセットし、右足できっちりゴールネットを揺らした。「町田の優勝と自身の成長のために、覚悟を持ってここに来た」というセレッソ大阪から期限付き移籍中の22歳が、大一番で価値ある仕事をしたのだった。
この日の町田は、前節まで全試合にスタメン出場していた左SB翁長聖を累積警告で欠いていた。黒田剛監督は両サイドでプレーできるDF奥山政幸を左SBで起用し、チームキャプテンはクロスを上げさせないというタスクをしっかりと果たした。在籍7年目の30歳のパフォーマンスを、指揮官もこう評価した。
「人に対して翁長よりもかなり強固にいける選手なので、心配なく配置を組めました。キャプテンがピッチにいるかいないかで違うところもありますし、最後まで守備陣でコミュニケーションを取ってしめてくれたなと思います」
町田は後半アディショナルタイムに失点を喫し、最終スコアは2対1となった。磐田の横内昭展監督は、「我々の想定のなかでの2失点だった」と振り返ったが、それはつまり、町田が地力の差を見せたということなのだろう。
この勝利で勝点を「63」とした町田は、磐田との勝点差を「9」に広げた。3位の清水エスパルスには、勝点「11」差をつけている。J1昇格へのひとつ目のハードルをクリアし、次節は清水のホームへ乗り込む。