■スペイン戦で見せた組織力

 こうして、格下相手に連勝した後のスペイン戦。スペインがボール保持率では大きく上回ったが、日本は攻守ともにそうした事態を想定していた。

 日本の組織的な守備はスペインにほとんどチャンスを作らせなかった。スペインは「偽の9番」のジェニファー・エルモーソが空けたスペースに2列目のアレクシス・プテージャスやアルタナ・ボンマティが上がってくるのだが、日本の守備陣はエルモーソが下がる動きに付いていく場面と、付いていかずにスペースを埋める場面をしっかりと区別して対応。そのため、ボールは持っているものの、スペインはチャンスらしいチャンスを作れなかった。

 スペインが悪かったというより、いかにもスペインらしい戦術的な攻撃を、日本の守備組織が完封したという試合だった。

 そして、ボールを握ったスペインはDFが不用意に攻撃に上がってくることが往々にしてある。当然、その裏には大きなスペースが生まれてくるから、日本は最初からそのスペースを狙ってスペイン陣内深くへの長いボールを使って攻めたのだ。そして、カウンターからのチャンスで効率的に得点を重ね、4対0というスコアでスペインを撃破した。

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