■システム変更後すぐに逆転!
「らしさ全開」の勝利だった。
J2リーグ第29節が8月5、6日に開催され、首位のFC町田ゼルビアはアウェイで10位のファジアーノ岡山と対戦した。
キックオフ早々に先行された。前半6分の失点は、今シーズンもっとも早い。その後も左サイドから脅かされるが、ここで崩れないのが今シーズンの町田だ。飲水タイム後に立ち位置を修正し、攻撃時は左SB翁長聖が高い位置を取り、同サイドのFWエリキを1トップの藤尾翔太と並ぶように中央へ押し上げる。この変更がすぐに得点へつながることはなかったものの、試合の流れを押し戻すことにつながった。
39分には同点とする。
左サイドからの直接FKを、右SB鈴木準弥がゴール前へ供給する。CB藤原優大がヘディングで合わせ、GKが弾いたボールに藤尾が反応する。藤尾のシュートは相手にブロックされるが、こぼれ球をCBチャン・ミンギュがプッシュした。夏の移籍市場で獲得した鈴木が、持ち味とする高精度のキックで得点のきっかけを作った。
1対1で前半を折り返すと、黒田剛監督が動く。MF高橋大悟に代えて平河悠を投入する。システムも4-2-3-1から4-4-2へ変更する。
その直後だった。47分、左サイドの翁長のクロスを、藤尾がヘディングで合わせる。至近距離からのシュートはGKにキャッチを許さず、エリキが反応してボールを奪い取り、右足のヒールで押し込む技ありの一撃でネットを揺らす。システム変更で2トップを組んだふたりが、逆転弾を生み出したのである。エリキは得点ランキング首位に並ぶ16ゴール目だ。