■ミャンマーも不安定
7月27日は朝鮮戦争の休戦協定締結から70周年に当たった。
北朝鮮はこの戦争に勝利したと主張しており、この日は「戦勝節」という祝日になっている。そして、この“勝利”から70周年の記念式典にロシアのセルゲイ・ショイグ国防相と中国の李鴻忠共産党政治局員が招待されたが、外国要人の入国すら久々のことだった。
こうした状況下にあるので、北朝鮮当局がワールドカップ予選のために外国チーム(およびメディアやサポーター)の入国を許可するとは思えない。北朝鮮とのアウェー戦も中立地開催となる公算が大きいだろう。
さらに、もう1つの対戦相手国となる可能性が高いミャンマーも、2021年2月に国軍が軍事クーデターを起こし、民主的な選挙を通じて樹立された国民民主連盟(NLD)政権は権力を奪われ、指導者だったアウンサンスーチー氏は軍事政権によって裁判にかけられ、現在も軟禁中。民主派などに対する厳しい弾圧が続いている。
こちらは、ホームゲームの国内開催には問題ないだろうが、いずれにしても2次予選での日本代表の対戦相手は、民主主義とは相容れない“異常な”政権が支配する国ばかりということになる。
日本サッカー協会(JFA)の担当者は、各国との交渉や日本の外務省との折衝に忙殺されるのではないだろうか……。