後藤健生の「蹴球放浪記」第172回「VIPの皆さんのおかげで眠れなかった」の巻(1)「空港未完成」で世界大会を迎えた「砂丘の街」の画像
ブラジル・ワールドカップのADカード 提供/後藤健生

 サッカー観戦にとって、移動も大事な一部である。世界を飛び回る蹴球放浪家・後藤健生も、空港でさまざまな経験をする。完成していない空港に面食らうこともある。時には超VIPと出会い、時にはスーパースターに仮眠から起こされることもある。

■ブラジルを飛び回る

 2014年のワールドカップは広大なブラジル連邦共和国を舞台に開催されました。おかげで、毎日のように飛行機で移動しながらの観戦を強いられることになりました。しかも、アルベルト・ザッケローニ監督率いる日本代表の試合会場はリオ・デ・ジャネイロやサンパウロから遠い、辺鄙な地方都市ばかりでした。

 それでも、初戦のコートジボワール戦が行われたブラジル北東部の大都市レシフェは人口165万人の大都市でした。

 日本代表は前半の16分にスローインからつないで本田圭佑が決めて幸先よく先制したものの、62分にディディエ・ドログバが登場すると、日本チームはドログバに怖気づいたかのように弱気になって64分、66分に連続失点して逆転負けを喫しました。

 3戦目でブラジル大会に向けてチーム力が急上昇中だったコロンビアと当たることを考えると、2戦目のギリシャ戦はまさに「絶対に負けられない戦い」となりました。

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