J2のV・ファーレン長崎が、次節の「九州ダービー」アピールに奥の手を繰り出した。地元愛をくすぐる手段に、ハートを射抜かれるファンが続出している。
長崎は第27節までを戦い終えて、J2で7位につけている。J1参入プレーオフ圏内となる現在6位の清水エスパルスとは勝点1差で、自動昇格となる2位のジュビロ磐田とも5ポイントしか離れていない。シーズンも折り返し点を越え、一層の気合いが入るポジションにいる。
次節は、さらに力がこもるカードを迎える。昨季のJ1参入プレーオフに進出したロアッソ熊本との対戦だ。
強敵との難しい対戦であることは間違いない。だが、それ以上に力が入るのは、「九州ダービー」であるためだ。
かつてはJクラブが存在しない時期もあった九州だが、現在ではアビスパ福岡とサガン鳥栖がJ1で戦っている。J2では長崎と熊本、大分トリニータが昇格を争い、J3でも鹿児島ユナイテッドとギラヴァンツ北九州が熱く戦っている。
このホットな戦いが繰り広げられている九州で、長崎もライバルを先んじていきたいところ。そのための第一歩として、次節の九州ダービーでは、集客と勝利を求めて熱いアピールが繰り広げられている。
今回クラブは、奥の手を繰り出した。地元出身の九州男児をアピールに連れ出したのだ。
クラブのツイッター公式アカウントで、その男が地元言葉丸出しで話しかける。
「29日、何しよっと?」
「暇しとったら熊本戦、見に来ちゃらん?」
「うん、待っとーよ」
スマートフォンを片手に語りかけているのは、今季新加入した増山朝陽だ。ヴィッセル神戸でプロキャリアを歩み始めたが、福岡や大分でのプレーも経験。何より、福岡出身の九州男児である。その地元っ子が、ダービーのアピールに一肌脱いだというわけだ。