■状態を上げられるか
ワールドカップに向けて着々と準備を進めている日本代表だが、問題点の一つはシーズンオフに入った後、実戦から遠ざかっている選手が多いことだ。
昨年のカタール・ワールドカップは、ヨーロッパ各国のシーズンの途中の時期に開催されたため、集合から大会開幕まで1週間程度しか時間がなく、ケガを抱えていた選手も多く、またコンディションの調整が難しかった。そして、戦術的なすり合わせを行う時間も短く、各国の代表監督は苦労を強いられた。
ところが、今回の女子ワールドカップの場合は、アメリカを除いて、ヨーロッパや日本の秋春制で行われているリーグ戦は終了しており、そのため3週間ほどの事前合宿が行えたのだ。
森保一監督から見たら、うらやましい環境ではあろう。
しかし、それは同時に実戦を戦う機会がなく、試合勘を上げていくのが難しいということを意味している。
もちろん、合宿期間中にもトレーニングマッチを行い、ゲーム体力を取り戻そうという試みはなされている。
実際、パナマ戦は(相手の力不足ということもあったが)、試合の流れの中でしっかりテンポを上げることができたので、チーム状態は良さそうで、池田監督のプラン通りに選手たちの状態が上がっていることは感じ取れた。
だが、グループリーグ3戦目のスペイン戦以降は、世界の強豪と戦うことになるので、クライストチャーチでの直前合宿の期間に、状態をさらに一段上げる必要がある。その作業に注目したい。