7月20日に女子ワールドカップが開幕する。女子日本代表も、かつて世界一を獲得した大会に参加する。W杯での躍進に向け、必要なものは何なのか。14日のパナマ戦などからサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■大きすぎた実力差
パナマ戦ではセットプレーからのゴールもなかったが、88分には猶本光が20メートル強のFKから直接ゴールを狙い、シュートが左サイドのゴールポストを直撃している。そもそも、このような一方的な試合展開であったにも関わらず、CKは前後半合わせてわずか1本だけで、CKの場面がなかったのだから、セットプレーからのチャンスの印象がなかったのは当然だろう。
守備面では、前線でパスコースを制限し、中盤で複数の選手でボールホルダーを追い込んでパナマの攻撃を完封。無失点で試合を終えたどころか、パナマに1本のシュートも撃たせなかったのである。
しかし、対戦相手との実力差がここまで大きいと、試合の評価は難しい。
日本は、前線からプレスをかけて中盤で狙い通りの形でボールを奪い、パナマに反撃の機会も与えなかったのだが、日本の選手がアプローチをかけるだけでパナマの選手たちのミスを誘発していた。
だが、強豪相手にはこの程度のプレッシャーではなんの効果もないはずだ。