7月20日に女子ワールドカップが開幕する。女子日本代表も、かつて世界一を獲得した大会に参加する。W杯での躍進に向け、必要なものは何なのか。14日のパナマ戦などからサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■見事な連係からのゴール
20分を過ぎて、決定機が作れるようになっていく。
24分にワンタッチパスをつなげてチャンスを作り、左のインサイドハーフに入った宮澤ひなたがシュートを放つ。宮澤は、26分にも右サイドの藤野あおばからのクロス(サイドチェンジ)を受けてシュート。29分にも長谷川からの縦パスを受けたCFの田中美南がGKと1対1になるが、田中は慌ててしまってループシュートはGKの枠を捉えきれなかった。
そんな、モヤモヤした展開を一発のサイドチェンジで打開して見せたのが長谷川唯だった。
ハーフラインを越えたあたりから、右サイドを駆け上がる清水梨紗の前のスペースを狙ったダイアゴナルなパス。それに追いついた清水がワンタッチでGKの頭上を抜いて先制ゴールを決めた。
さらに37分には左サイドでウィングバックの遠藤純と宮澤で短くパスをつないで形を作り、遠藤が下りてきた田中にパスを当てると、田中はペナルティーエリア内に走り込んでパスを要求した長谷川にワンタッチで合わせて、長谷川がそのままシュートを決めた。