タイ代表MFチャナティップが自身のインスタグラムに公開した、川崎フロンターレの鬼木達監督との2ショット。母国クラブであるBGパトゥム・ユナイテッドFCへの完全移籍が発表されたチャナティップと夜の駐車場で抱擁しながらの2人の笑顔は、多くの人に注目されていた。その撮影秘話を知ることができた。
それが撮影されたのは、6月25日に行われたサポーター主催の送別会の後のことだった。「“頑張ろうね”、“頑張ってね”って何回も話しはしていましたけど、帰る前のどこかのタイミングでもう1回会いたいなと思っていた」という鬼木監督は、その日の夜、電話を手にした。電話番号は、チャナティップの通訳のものだった。
「送別会が終わったタイミングでもし時間が合えば」
指揮官がスマホに向かってそう発すると、なんと、「ちょうど今、会場を出ました」という奇跡のタイミングだった。そこで、あるコンビニエンスストアを待ち合わせ場所にして、2台の車が向かうこととなった。
先に到着した鬼木監督だったが、不安になって確認するとそこは近くにある別のコンビニ。時間がない中でのタイミングだっただけに、会えない可能性も出たことで「ヤバい」という感情が心に沸き上がったが、改めて目的地に向かうと2台がほぼ同じタイミングで着いた。そこで2人が帰国前の最後の会話をしながら撮影したのがあの写真だった。