■期限付き移籍の活用
一つは、もっと積極的に「期限付き移籍」を使って下部リーグのチームでプレーさせることだ。
日本には大学リーグという独特のリーグ戦が存在し、アカデミーを出てすぐにプロ契約をしなかった選手が大学チームでプレー経験を積んでプロの世界に戻ってくるというルートが確立されていたし、現在でも多くの有望選手が大学リーグでプレーしている。守田英正や三笘薫、旗手玲央など多くの代用選手が大学経由で成長してきた(ワールドカップ代表にこれほど多くの大学卒の選手がいるのは日本と韓国だけだろう)。
たしかに、大学チームに所属することで出場機会には恵まれる。だが、4年間も同年代の選手とだけしかプレーできないというのは大きな問題だし、さらにこの2、3年の傾向として(コロナ禍の影響もあって)関東大学リーグの競技レベルが落ちているという問題もある。
大学チームでのプレー経験だけでは、選手を国際レベルまで伸ばせていけなくなってきているのかもしれない。
そうなると、若手選手の出場機会は、最近になってレベルアップが著しいJ3リーグやJFLに求めるべきなのかもしれない。今年から降格制度が導入されたJ3リーグや、J3への昇格を目指して激しい競り合いが展開されているJFLで、勝負にこだわったプレーを経験させるのは若手の育成に役に立つような気もする。