■既視感のある試合
同じような試合展開を、つい最近も目撃したような気がした。
5月27日(日本時間28日)にアルゼンチンのメンドーサで行われたU-20ワールドカップ・グループリーグ最終戦の日本とイスラエルの試合だ。
それまで戦っていたラ・プラタ会場と違って、芝目が短くパスが走ってくれたおかげで日本が前半から優勢に試合を進め、前半のアディショナルタイムにFKからのボールがつながって、最後は坂本一彩(ファジアーノ岡山)が決めて日本がリードして前半を終えた。前半のシュート数でも日本の7本対イスラエルの3本(枠内は4本対1本)で、内容的にも前半は明らかに日本が上回っていた。
後半に入っても日本がゲームをコントロールしたまま時間が経過していった。イスラエルはそれまでの2試合を1分1敗で終えており、日本に敗れれば“敗退”となる。さらに68分には交代で入ったばかりのラン・ビンヤミンが2枚目のイエローカードをもらって退場となり、日本の勝利(=2位以内)とイスラエルの敗退は決定的かと思われた。
ところが、追い込まれたイスラエルが開き直ったかのように攻撃をしかけてきたのだ。そして、FKからラッキーなゴールが決まって同点にすると、イスラエルは後半アディショナルタイムにも混戦の中からオメル・セニオールが決めて逆転勝ちしたのだ。
これで、日本は3位に転落して敗退が決まり、逆にイスラエルはグループリーグを勝ち抜き、最終的にベスト4まで勝ち上がった。
今大会の日本は唯一の勝利となった初戦のセネガル戦でも、後半は押し込まれてしまい、何とか逃げ切るという展開だったが、それにしてもイスラエル戦は試合の流れを考えれば、勝利してラウンド16進出を決めていてもおかしくない試合だった。