現在、日本代表が活動中だが、年代別日本代表の強化も進められている。大会に臨んでいるが、見えている問題がある。年代別日本代表、つまりは未来のサムライブルーが世界で勝ち上がるためには何が必要なのか。サッカージャーナリスト・後藤健生が切り込む。
■勝ち切れなかったU-17日本代表
6月17日にタイの首都バンコクのラジャマンガラ・スタジアムで行われたU-17アジアカップの初戦でウズベキスタンと対戦したU-17日本代表は、1対0でリードして迎えた終盤に追いつかれて引き分けに終わった。
ウズベキスタンは若年層の強化が進んでおり、日本にとってはグループ内最強のライバルだった。従って、初戦で引き分けたこと自体はけっして悪い結果ではない。
だが、終盤まで日本がリードしており、試合内容としても日本がコントロールを続けていただけに、この引き分けは「勝点1をゲットした」というより「勝点2を失った」という結果だったように思える。
日本は試合開始直後からチャンスを作り、前半8分には左サイドを吉永夢希(神村学園高)が崩してクロスを上げ、道脇豊(ロアッソ熊本)が完璧なヘディングシュートを決めて理想的な形で、理想的な時間帯に先制した。そして、その後も組織的な守備でウズベキスタンの攻撃を封じ込めてゲームをコントロールし続けた。
後半に入ると足がつって動けなくなるウズベキスタン選手が続出(ウズベキスタンも夏場は気温が高いが、東南アジアのような湿度の高い気候は慣れていないはず)。日本がそのまま勝利を手にするかと思われたのだが、ゲーム終盤の83分に中盤からアバウトに入れてきたボールへの対応が甘くなり、DFラインの裏に抜け出したアミルベク・サイドフに決められてしまったのである。