日本代表は15日のエルサルバドル代表戦に勝利し、森保一監督率いる第2次政権での初勝利を飾った。6-0という大勝だったが、この試合からは今後に向けてのどのような指針が浮かび上がったのか。ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が激論を交わした。
■地位を確立したい選手たち
――CFに入った上田綺世と古橋亨梧も、日本代表での地位を確立したい選手たちです。
後藤「上田はPKで1点取ったけど、他にもあったチャンスを決められなかった。古橋も1点決めたけど、他にはあまりチャンスがなかった」
大住「古橋のゴールは本当に見事だったよね。相手のマークを外す動きとか、ギャップを突いて入っていく動き。相馬勇紀の体勢やプレーの流れを見て、ぴったりのタイミングで入ってきて、しかもただ力いっぱい頭に当てるのではなく、ちゃんとコントロールするヘディングシュートだった。それに対して上田は、まだまだだなという感じはしたね」
――物足りなかった点のは、どういう点ですか。
大住「退場者が出て人数が少なくなったエルサルバドルとしては、外の守備はある程度捨てて、入ってきたところを捕まえようとする。つまり、相手が10人になった恩恵を一番受けなかったのが上田だと思うんだけど、いくつか良いプレーはあったものの、上田のおかげで攻撃が活性化するという感じではなかった。以前は大迫勇也がいるかどうかでチームの雰囲気が大きく変わると言われていたけど、上田はそこまでには至っていない」
後藤「唯一良かったのは、堂安が押し込んだ前半44分のゴールにつながった時のプレーだよね。GKからのロングボールを胸でトラップして三笘に展開して、三笘のシュートが弾かれたところを堂安が蹴り込んだ。あれが上田の一番良いプレーだったね。ああいうプレーをもっとやってくれればと思うんだけど、現状を見るとそういうプレーを出すには大迫を使うしかないなという感じ」