■開始1分でにじんだ強い決意

 そしてことし3月、森保体制の再スタートとなった2試合では、ウルグアイ戦は体調不良でベンチにもはいれず、コロンビア戦は後半14分からピッチに立ったものの力を発揮するには至らなかった。そうした流れからすれば、このエルサルバドル戦に向けた久保の気持ちは痛いほどわかる。

 なぜなら、ワールドカップ後の半年間で最も成長したのが久保だからだ。所属のレアル・ソシエダではワールドカップ後に調子を上げ、欠くことのできない存在となった。イマノル・アルグアシル監督から強い信頼を受け、チームメートからも頼りにされる存在になって、スペインリーグのスターのひとりにもなった。いくつもの見事なゴールを決め、レアル・マドリード、FCバルセロナアトレティコ・マドリードといったビッグクラブを相手に活躍した。久保自身、この半年間で自分自身の成長を感じ、そして大きな自信を得たに違いない。

 それだけに、2019年のデビューから4年近い年月がたち、最年少でワールドカップのメンバーに選ばれながらもいまだチーム内で自己を確立しきれていない日本代表で、何かを証明しなければならないという強い気持ちをもってこのエルサルバドル戦に臨んだに違いない。開始から1分もたたずに訪れたFKのときから、その決意を見てとることができた。

(2)へ続く
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