日本代表は15日、森保一監督の第2次政権初勝利を挙げた。その勝利に貢献したのが久保建英であるが、その姿は並々ならぬ決意をうかがわせた。現在22歳の久保は、日本代表とともにいかに歩んでいくべきなのか。サッカージャーナリスト・大住良之が考察する。
■MVPに推す声
正直、痛々しさを感じた。6月15日、エルサルバドル戦の久保建英である。
右のMFとして先発し、キックオフから1分も経たずにFKから先制点を生み、後半20分まで65分間プレー。前半25分には左足のワンタッチシュートでチームの3点目を決め、後半15分には久保らしいドリブルで相手を引きつけて中村敬斗に絶妙のアシスト。その他の場面でも存在感を示し、「MVP」に推す声も聞かれた。しかし私には、「もっと力を抜いたほうがいい」と見えたのだ。
開始早々に10人になったことで中央を固める形になり、エルサルバドルは日本のサイド攻撃へのチェックが遅れ気味となった。右サイドでは、代表4試合目の菅原由勢が超積極的な攻め上がりを見せ、インサイドMFの堂安律もからんで面白いようにボールが回った。
そうしたなかで、久保にも、ゴールが生まれる前に2回の決定的チャンスが訪れた。17分には左から旗手怜央が送ったボールが右に抜け、ペナルティーエリアやや右で久保が左足で強烈なシュート。だがわずかに左に切れた。さらに5分後には、旗手のシュートのリバウンドに詰めた。しかし右足で合わせたシュートはバーを大きく超えた。