■「ボックス」の真実
さて、僕が観戦したのは1999年12月7日のFL1部のストックポート・カウンティ戦でした。もらった記者入場証を見たら、はっきりと「プレス/ラジオボックス」と書いてありました。
メインスタンド1回席の最後段に「プレスボックス」が並んでいました。指定された「2番」ボックスに座りました。席の上には屋根がついており、庇があるのでバックスタンドの上段は見えません。そう、まるでテレビの画面のようにピッチとスタンドの前方だけが切り取られて見えるのです。周辺が見えませんから、本当にピッチ上の出来事だけに意識を集中することができるのです。
座ってみて分かりました。そこ(記者席)は、前方に“窓”が開いた「箱」だったのです。そして、前面の“窓”から見える光景は、遠い昔に「三菱ダイヤモンドサッカー」で画面に映し出されていたイングランドのフットボール・グラウンドの光景そのものでした。
「たしかに、これはプレス“ボックス”だ」。僕は一人で感慨にふけっていました。
ちなみに、試合はマン・Cが後半開始早々に先制したのですが、その後同点とされ、さらに85分にはゴールキックからのボールを奪われ、慌てて止めに行ってファウルを犯してPKを与え、マン・Cは逆転負けを喫してしまいました。
いずれにせよ、近代的なエティハド・スタジアムに移転する前にマン・Cの試合を見ることができて本当によかったと思います。