■欧州王者の苦難の時代

 ですから、1999年の段階ではマン・Cはまだ1923年完成の「メイン・ロード」を使っていたのです。

 当時、マン・Cはフットボール・リーグのディビジョン1(2部相当)で戦っていました。

 1880年に「ゴートン・アスレティック」として創設され、1894年に現在の名称となった伝統あるクラブでしたが、1980年代以降はフットボールリーグ(FL)の1部と2部を行ったり来たりするようになり、同じマンチェスターのライバル、ユナイテッドの後塵を拝するようになってしまいました。

 幸い、1992年にプレミアリーグが発足した時には新リーグに参加できたのですが、1996年にはFLのディビジョン1に降格。2年後にはディビジョン2(3部相当)に降格してしまいました。

 1999-2000年シーズンにはマン・Cはディビジョン1に所属しており、そのシーズンに2位に入って2000年にプレミアに再昇格しました。

 その後、2008年にエティハド航空を擁するUAEの「アブダビ・ユナイテッド・グループ」に買収されて、その潤沢な資金を使ってヨーロッパ有数のメガクラブとなり、2016年にペップ・グアルディオラ監督を招聘。今や世界最強クラブの一つとなったわけです(シティのオーナーが「ユナイテッド」なのは皮肉なことですが……)

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