■天皇杯の魅力

 天皇杯という大会の面白さは「ジャイアントキリング」にある。

 実際、昨年の第102回大会ではJ2リーグのヴァンフォーレ甲府がJ1チーム相手に勝利を重ねて優勝を飾った。これまでにもJ2チームの優勝はあったが、たとえば、それはJ2で優勝を決めたようなJ2の強豪によるものであり、昨年のJ2リーグで18位と低迷していた甲府の優勝はまさにジャイアントキリングそのものだった。

 しかし、「ジャイキリ」のスリルはJ1リーグ勢が登場する2回戦以降のお楽しみ。天皇杯の最初の1、2ラウンドの見どころは、3部リーグ相当のリーグ同士の争いである。「日本の本当の3部リーグはどこだ?」という争いだ。

 先日、JFLオフィシャルサイトのホームページにはこんな「TOPICS」が誇らしげに掲げられていた。

「天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会の1回戦にJFLからは9チームが出場し5月20日(土)に1試合、22日(日)に8試合が開催された。浦安が大学の強豪筑波大に勝ち、J3との対戦5試合ではJFL勢が4勝1敗で勝ち越し、地域リーグチームとの対戦は苦戦するも、JFL7チームが勝利し、6月7日(水)開催の2回戦へ駒を進めた」

 各都道府県大会を勝ち抜いてJFLから出場した(Honda FCはアマチュアシード)9チーム中7チームが1回戦を突破したのである(オフィシャルサイトでこのように大きく取り上げられたのだから、「浦安の勝利」もやはり番狂わせだったのだろう)。

 そんな中でもやはり驚くべきは、J3チーム相手にJFL勢が大きく勝ち越したことだ。

(3)へ続く
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