JFL勢が躍進した今年の天皇杯1回戦【日本サッカー界の「本当の3部相当」のリーグはどこなのか?】(2)の画像
日本サッカー界の勢力図を探る(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 日本サッカー界にはJ1を頂点とするプロリーグがあり、JFLや大学リーグもある。そうしたチームが顔を合わせるのが天皇杯だ。このオープントーナメントから、「本当の3部相当のリーグ」をサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■かつて国内最強だった大学勢

 大学リーグは地域別になっているが、最も歴史が古く、実力的にも最強と見なされているのが関東大学リーグで、1924年に「ア式蹴球東京コレッジリーグ」として発足。今年がちょうど100年目ということになる(戦争中に中断があったので回数は第96回となっている)。

 発足30年を迎えたJリーグの3倍以上の長い歴史を持ったリーグ戦で、1950年代に実業団チームが台頭してくるまでは関東大学リーグは事実上の日本のトップリーグであり、第2次世界大戦前には関西学生リーグ優勝チームとの王座決定戦こそが日本最強チームを決定する試合と考えられていた時期もある。

 その後、1965年に実業団チームによる日本サッカーリーグ(JSL)、そして1993年にプロリーグであるJリーグがスタートすると、大学リーグは日本のトップリーグとしての地位を失ったものの、大学リーグの実力は侮れず、最近でも天皇杯でJリーグ勢を破って話題を集めることが何度もあった。

 とくに、最近はJリーグのアカデミー育ちの選手が出場機会を求めて大学チームに入って経験を積んでから満を持してJリーグ入りするというコースが出来上がっており、有望な若手選手を抱える大学チームの実力は高く、関東大学の強豪校はJ3にも遜色ない戦いができる。

 たとえば、4年前の関東大学リーグでは三笘薫(筑波大学)や旗手怜央(順天堂大学)、上田綺世(法政大学)など錚々たる顔ぶれがプレーしていたのだ。

 つまり、日本の場合、競技力という面ではJ3リーグとJFL、関東大学リーグ、関西学生リーグなどが拮抗しており、どのリーグが「3部リーグ」なのかは分からないのである。

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