■大学のチームづくりの難しさ

 ただ、今シーズンの天皇杯では大学チームは不振のようで、関西学生リーグの関西大学が関西リーグ1部のアルテリーヴォ和歌山を、山梨学院大学の2軍である「PEGASUS」が関東リーグ2部のtonan前橋をそれぞれ下して2回戦に進出しただけに終わった。

 そもそも、今シーズンは都道府県予選を勝ち抜いた大学チームが少なかった。

 たとえば、関東大学リーグの強豪、明治大学は東京都トーナメント決勝で、当時はJFLで下位に沈んでいたクリアソン新宿に敗れている(明治大学は、学生審判員の登録不足で勝点6をはく奪されて、現在は1部の10位にいるが、本来は4位相当の成績)。

 大学チームは、毎年、4年生が卒業して1年生が入学して新たにチームづくりをしなければならないという制度的な制約があるため、年度によってチーム力は上下する。

 三笘や旗手が在籍していた頃はいわゆる当たり年だったが、現在はどこのチームも当時ほどの戦力を維持できていない。また、新型コロナウィルス感染症の拡大は、他のカテゴリーのチーム以上に大きなダメージを与えた。合宿生活をしている大学チームでは集団感染が何度も起こり、そのため活動に大きな制約を受けたのだ。

 そうしたいくつもの要因が重なって、今シーズンの天皇杯における大学勢不振につながったのではないだろうか。

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