■「もうちょっとサッカーやりたいですね」

 とはいえ、2011年から日の丸をつけて12年間戦い、国際Aマッチ126試合という偉大な実績を積み重ねてきただ男だけに、簡単に代表から離れられないのも事実。ヒリヒリするような緊張感と重圧を感じながら国を背負って戦うチャンスは誰にでもあるわけではない。その重みを誰よりも分かっているからこそ、「まだできるんじゃないか」と思ってしまう部分は少なからずある。その心情はよく理解できるところだ。

「もうちょっとサッカーやりたいですね。内田君がテレビ出て、槙野(智章=品川CCセカンド・テクニカルアドバイザー)君がバラエティに出ているのを見ると、もっとサッカーやりたいと思います」ともコメントしていただけに、代表復帰の道が閉ざされないような環境を彼には何とか見つけてほしい。

 さしあたって、吉田が呼び戻されるとすれば、2024年1~2月のアジアカップ(カタール)ではないか。アジア王者奪還を目指す森保監督もこの大会は最強メンバーを揃えるはず。板倉、冨安健洋アーセナル)、伊藤洋輝らDF陣に何らかのアクシデントがあれば、吉田の再招集に踏み切らないとも限らない。

 実際、今回の6月シリーズも30代の谷口彰悟(アル・ラーヤン)を呼んでいる。全ては8カ月に吉田がどうなっているか次第なのだ。

「年寄り扱いされた途端に『いや』ってなっちゃう」と笑うベテランDFには、若手に負けないところをぜひとも見せてほしいものである。

(取材・文/元川悦子)

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