■「不滅の会長」
私の「選挙応援演説」が何票の価値をもっていたかはわからない。ともかくコフィ会長は再任された。そしてグレミオは12月に東京で行われたトヨタカップでは延長の末2-1でハンブルガーSV(西ドイツ)を下して見事「世界チャンピオン」となった。南米制覇と世界制覇を一挙に成し遂げたことで、1983年はグレミオのクラブ史上最高の年となったのである。
その後、コフィ会長はガンを患ってクラブの仕事から離れていたが、長い闘病生活に打ち勝って1993年に会長に復帰、後にブラジル代表監督となって2002年ワールドカップで優勝を飾るルイス・フェリペ・スコラリ監督の指揮下、1996年までに州選手権3回優勝、ブラジル全国選手権優勝、リベルタドーレス杯で2回目の優勝など、「第2期黄金時代」を築く。さらに2012年から2014年まで3期目の会長職を務め、2018年、86歳で他界した。
ファビオ・コフィは、光り輝くような実績から、グレミオ・ファンの間では、「不滅の会長」と呼ばれている。