5月3日に豊田スタジアムで行われた第11節、名古屋グランパス対ヴィッセル神戸の一戦で、名古屋のMF稲垣祥が見せた「魂のプレー」に賞賛の声が集まっている。
1―2と名古屋が1点ビハインドだった後半34分のワンシーンだ。神戸のFW武藤嘉紀が左サイドから送り込んだグラウンダーのクロスが、名古屋のDF野上結貴の足に当たって跳ね返った。ピッチ上の選手、スタンドにいた観客の多くが「コーナーキックだ」と思った瞬間、野上の近くにいた稲垣が諦めることなく猛然とダッシュし、最後は滑り込みながら体を投げ出し、ライン上ギリギリのところでボールに追い付いてインプレーにして見せた。
通常ならコーナーキックを与えてしまう場面を見事にマイボールにした稲垣だったが、何事もなかったかのように前線に大きく蹴り出した。体力、精神力ともに削られていたはずの後半終了間際だからこそ、この気持ちのこもったプレーの価値は高まる。
このプレーにスタンドからは大きな拍手が沸き起こる。DAZNの放送でも、実況の桑原学氏が「ラインを…割っていないようです」と伝えると、解説の福田正博氏は「よく残しましたねぇ!」と褒め称えたのだった。