■中東最強クラブに勝利
そして、2022年に行われたACLのグループリーグと準決勝までの戦いでも、まさに薄氷の勝利の連続だったし、ACLと並行して行われた2022年のJ1リーグでは浦和は順位を9位まで落としてしまっていた。
そんな浦和の新監督に就任して短期間でチームをまとめ上げてACL優勝に導いたマチェイ・スコルジャ監督の手腕の高さは間違いない。そのスコルジャ監督の下で、浦和がこれからどのように進化していくのか、大いに楽しみである。もし、次にアル・ヒラルと再戦する機会があったとしたら、その時には互角に渡り合って勝負できるようなチームに育て上げてもらいたいものだ。
しかし、いずれにしてもアル・ヒラルがサウジアラア、いや中東諸国全体を代表するような最強クラブだったのに対して、浦和はJリーグの強豪クラブの一つにすぎない(むしろ、この数年、Jリーグで最強の位置にあり続けた、川崎や横浜F・マリノスがACLで活躍できなかったのは不甲斐なかった)。その浦和がしっかりしたゲームプランによって“中東の巨人”を倒したあたりに、Jリーグというリーグの強さが見える。そんなACL決勝戦だった。