■見極めた勝負どころ
試合開始直後の相手がフルパワーで攻撃に来る時間帯には、しっかりと守りを固めた浦和。
ボールを持たれる時間が長くなってもけっして焦れることなく、相手がパスを入れてくるスペースを消し続けた。そして、キックオフから約20分を過ぎて相手のパワーが多少でも緩んだ頃を見計らってカウンター気味にいくつかのチャンスを作りはじめ、30分には酒井宏樹の高速クロスに興梠慎三がジャンピングボレーで合わせるビッグチャンスもあった。
後半が始まってすぐの48分には中盤でボールをつないでFKを獲得。
岩尾憲が蹴ったボールをマリウス・ホイブラーテンがヘディングで折り返し、ゴール正面に飛び込んだ興梠はボールには触れることができなかったものの、この興梠の動きにGKが惑わされ、そしてアンドレ・カリージョがクリアしようとして自らのゴールに蹴り込んでしまった。
アル・ヒラルは同点を目指して攻勢をかけようとするが、どうしても浦和の守りを崩せない。
前半、神出鬼没のポジション取りからスルーパスを入れてくるカリージョは浦和にとって大きな脅威となっていたが、浦和に中央のスペースを固められてそれが決定機に結びつかなかったせいか、アル・ヒラルのラモン・ディアス監督は後半に入るとカリージョにワイドのポジションを取らせた。だが、これはあまり効果的でなく、アル・ヒラルの攻撃の圧力はむしろ低下してしまった。
そして、疲労がたまってくるとアル・ヒラルにはミスも増えていった。
こうして、浦和は貴重な1点を守り切って1対0で勝利。2試合合計で1勝1分として優勝を決めた。