■アジア王者への道のり

 ボール保持率はアル・ヒラルが70.6%で浦和は29.4%。浦和は完全にボールを握られて守備に回る時間が圧倒的に長く、シュートはわずか4本(枠内シュートはゼロ)だった。

 勝利という目的のために、プランに徹しきった浦和に対して、個人能力では優位に立っていたアル・ヒラルにはチームとしての一体感が感じられなかった。

 残念ながら、浦和はけっして現在のJリーグの最強チームというわけではない。

 そもそも、浦和が2022年のACLに出場することになったのはJ1リーグで上位に入ったからではない。

 2021年のJ1リーグ戦では川崎フロンターレが勝点92ポイントという圧倒的な成績で連覇を達成。浦和は29ポイントもの大差をつけられて6位に終わっている。

 ACL出場権を獲得したのは大分トリニータと対戦した天皇杯全日本選手権の決勝戦で、試合終了間際にこの試合を最後に浦和を離れる槙野智章による劇的なゴールによって優勝を決めたからだった。

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