■「この時間帯はポイントだぞ、しっかり守ろうぜ」

 だが、ボールを奪った後に周りとの距離感が遠いこともあり、すぐに取り囲まれ攻撃を受ける苦しい展開に。21分にはセカンドボールを拾ったFWミシャエウにゴール正面からのミドルを許したが、西川が冷静に弾き出す。

 この時間帯はアル・ヒラルのセットプレーが続き、勢いが相手に傾くが、西川は「前半の22分過ぎあたりから連続してセットプレー、サイド攻撃があった。そこを凌げたのがポイントだと思っていて、その時間に“この時間帯はポイントだぞ、しっかり守ろうぜ”と話しをしたので大きかったと思います」と分岐点を語った。

 30分、DF酒井宏樹がボールを受け、ペナルティエリア右に侵入しクロスを上げるとディフェンスの裏を取ったFW興梠慎三が右足アウトで合わせたが、これはクロスバーに嫌われた。

 0-0で迎えた後半、スコアはすぐに動く。48分、ピッチ中央でのFKをMF岩尾憲がペナルティエリア左に蹴ると、DFマリウス・ホイブラーテンが中央に折り返す。流れたボールはMFアンドレ・カリージョの伸ばした足に当たりオウンゴール。ラッキーな形で先制した。

 今季の浦和の守備の安定は、DFマリウス・ホイブラーテンとDFアレクサンダー・ショルツのセンターバックコンビが圧倒的な強さと安定感をもたらしている。そこに西川の質の高いプレーでゴールマウスに鍵をかけることにある。

 クリーンシートの仕上げは90分、ペナルティエリアでFWオディオン・イグアロに至近距離からシュートを打たれるが、これに素早く反応した守護神は体を投げ出しブロックした。

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