J2のFC町田ゼルビアが、子どもの日に粋な計らいを見せた。クラブの原点をあらためて思い起こさせる姿に、賛辞が集まっている。
町田は、新しい歴史を開こうとしている。第13節までを終えたJ2で、首位に立っているのだ。悲願のJ1昇格が、日々現実味を増している。
5月3日に行われた第13節でも、アウェイで大宮アルディージャに1-0と勝利した。7日にはファジアーノ岡山とのホームゲームを迎えるが、試合を待ちきれないファンが練習場にも足を運んでいる。
クラブのツイッター公式アカウントによると、5日の練習場での見学者の数は約100人だったという。すると、ここで今季からチームを率いる黒田剛監督がある提案をしたそうだ。
サンフレッチェ広島でプロとして歩み始め、町田で7シーズンプレーし、引退後も町田で働き続ける李漢宰さんは、SNSでこうつづっている。
「黒田監督の一声で我々が「本来あるべき姿」に戻ることができた。黒田監督の人間としての懐の深さ、気配り、子を持つ親としての優しい心には脱帽です」
こうした文章とともに引用ツイートしているのは、練習後の選手たちの様子を紹介したクラブのツイッター公式アカウントで公開された動画だ。
練習場まで足を運んだ子どもたちが、ピッチに足を踏み入れる。その子どもたちを、何と選手たちが両脇に並んで花道をつくり、ハイタッチで迎えるのだ。
さらに、保護者らもピッチに招き、写真撮影などでふれあう。最後は全員で記念写真に収まった。
町田の原点は、少年サッカーチームである。「FC町田」として地域の選抜チームに発展し、そのトップチームとしてつくられた「FC町田トップ」が現在のクラブにつながった。だからこそ、チーム名の表記では「町田ゼルビア」ではなく「FC町田ゼルビア」とすることにこだわるのだ。