■日本になじむ春秋制
だが、日本国内の環境を考えれば、やはり春秋制にすべきだ。
日本では政府の会計年度も学校の年度も4月から翌年3月ということになっている。だから、高校や大学、実業団のチームが秋春制を採用することは不可能なので、Jリーグも春秋制のままの方が合理的ということになる。
さらに、冬場の日本では試合開催が難しいから、長期間のウィンターブレークが必要となる。日本海側を中心に豪雪に見舞われるからだ。
もし屋内スタジアムを建設することができても、練習場を冬にも使用できるようにするのは不可能だ。また、豪雪で交通機関がストップしてしまえばファンやサポーターの来場や帰宅が困難になってしまう。
現在のJリーグでも、リーグ戦が2月に開幕した直後には北海道や東北のチームはホームゲームが開催できず、九州などにキャンプを張ったまま転戦する場合がある。
豪雪地帯のチームにとっての不利益を減らすために長期のウィンターブレークを設けると、中断が長くなりすぎてリーグ戦への関心や興味を削ぐことにもつながりかねない。
たとえば、2021年に発足した女子の「WEリーグ」は秋春制で行われているが、やはり冬場に長期のブレークが設けられており、それがWEリーグの人気低迷の一つの原因となっているような気がする。