「論理的に無理がある」Jリーグの「ACLのための秋春制への移行」【アジアの舞台でJリーグのクラブはいかに戦っていくべきか】(3)の画像
日本国内でも環境はさまざまだ 撮影:中地拓也

 AFCチャンピオンズリーグACL)で、浦和レッズが決勝を戦っている。このアジアナンバーワンを決める大会は、Jリーグのクラブにもさまざまな課題を提示する。今後も見据えながら、サッカージャーナリスト・後藤健生が諸問題を考察する。

■ACLは「秋春制」へ

 さて、アジア・サッカー連盟(AFC)は、2023/24シーズンからACLを「秋春制」で実施することを決定した。

 これによって、西アジア諸国のクラブはACLを同一シーズンの中で戦うことができるようになる一方で、春秋制を採用している東アジア諸国はシーズンをまたいでの開催ということになる。西アジアにとって有利な変更ということになる。

 Jリーグクラブは、リーグ戦の終盤戦と並行してACLのグループリーグを戦い、そしてシーズンオフ明けにノックアウト・ステージをこなすことになる。

 地域によって気候も違い、シーズン制も違うアジアの中では各地域すべてにとって理想のスケジュールを設定することは不可能なのである。

 西アジア(中東諸国)では夏場は最高気温が40度から50度に達するので試合の開催は不可能。一方、中国大陸北部や朝鮮半島では冬場の気温は軒並み氷点下なので、やはりサッカーができるコンディションではない。日本は北海道を除いてそこまで気温が下がることはないが、降雪量が多いのでやはり大会を開催するのは難しい。

 西地区と東地区で公平なスケジュールなど絶対に不可能なのである。

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