■同点シーンに見えたチームの姿勢

 清水戦ではMF郷家友太が、チームを敗戦から救った。0対1で迎えた78分、左サイドからのグラウンダーのクロスを、右足インサイドでゴール右へ流し込んだ。

 背番号11が高いクオリティを見せたシーンだったが、この場面ではペナルティエリア内に5人の選手が入り込んでいる。ニアサイドへ走って郷家にスペースを提供したFW山田寛人を含めて、チーム全員のゴールへ向かう姿勢が生み出した同点弾だった。また、アシストを決めたDF内田裕斗は、後半開始からの途中出場だ。伊藤監督の選手起用もハマった。

 山田と中島が縦関係で並ぶ2トップは、8節のヴァンフォーレ甲府戦、今節の清水戦と、相手守備陣に脅威を与えた。この2人を中心とした攻撃の組み合わせを生かしつつ、今後は中山やホ・ヨンジュンのポテンシャルを引き出したい。得点力をアップさせていくには、ここまで無得点の彼らの爆発が必要になってくる。

 ホームに戻る次節、仙台はファジアーノ岡山と対戦する。木山隆之監督が指揮するチームは、ここまで2勝6分1敗と勝ち切れない試合が続く。現在は4試合連続でドローゲームを演じており、ここ5試合勝利から遠ざかっている。

 どちらにとっても、勝利がほしいのは間違いない。清水戦に続いてJ1昇格を争うライバルとの一戦ということを踏まえても、仙台には勝点3が求められる。3連敗中のホーム・ユアスタに、歓喜の声を響かせたい。いや、響かせなければならない。

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