■押し切れなかった日本

 後半も同じような展開が続いた。

 58分には最初の交代カードで、池田監督は左シャドーの岩渕に替えて宮澤ひなたを投入。右ウィングバックには守屋都弥を入れて清水を最終ラインに下げる。

 守屋は、INAC神戸レオネッサのウィングバックとして急成長した選手。今シーズンのI神戸はスリーバックで戦っており、守屋は豊富な運動量で上下動を繰り返してチームの攻撃の起点として大活躍している、いわば期待の本職のウィングバックだ。

 だが、2月のアメリカ遠征では負傷でチームを離脱。ポルトガル戦が代表デビューとなってしまい、やはり代表経験が少ないためか、まだ本領は発揮できていない。

 こうして、前半の30分から後半の20分くらいまで日本が完全にゲームをコントロール。デンマークにはまったくチャンスが生まれない状況だった(前半25分以降、デンマークには1つもCKがなかった)。

 ところが、66分にデンマークは4人を同時に交代。フレッシュな選手や長身のCF(アマリー・ファンクスゴール)が入ったことで再び勢いを取り戻したデンマークは、ロングボールを使って攻撃をしかけてきた。

 そして、78分、左サイドバックからのロングボールが前線に残っていたトムセンの前のスペースに入る。これに対し、最終ラインに残っていた南萌華がなんとかカバーしてトムセンが走るコースにうまく体を入れたのだが、ヘディングでGKの山下杏也加に戻そうとしたボールは山下と入れ違うように日本のゴールに吸い込まれてしまった。

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