長谷川唯とのズレが目立った「コンビネーションとボールを受ける意図」【W杯前「ラストの海外遠征」から見えたなでしこジャパンの課題】(3)の画像
なでしこジャパンはW杯に向けて準備を進める 撮影:中地拓也

 女子ワールドカップ開幕まで、100日を切った。女子日本代表が目指すのは世界タイトル奪還だ。そのため、今月にはヨーロッパへ遠征し、2試合を戦った。なでしこジャパンの本大会前最後の海外遠征を、サッカージャーナリスト・後藤健生が検証する。

■25分間でCK5本の意味

 デンマークにとっても日本戦はワールドカップに向けての貴重な準備試合。スリーバック対策のテストとして重要な試合だったはずだ。

 4-3-3のデンマークは前線の両ウィンガーを外に開いて、日本のウィングバックの裏を狙ってきた。とくに、右サイドのヤニ・トムセンの推進力は大きく、日本の両ウィングバック(右が清水梨紗、左が遠藤純)は日本陣内深くに押し込められてしまう。ウィングバックが攻撃に出ると裏を使われてセンターバックがつり出されてしまうからだ。

 トムセンの突破はなんとか跳ね返したものの、その結果、前半の25分までにデンマークに5回もCKのチャンスが生まれ、最初の3回のCKの場面では強いヘディングシュートを撃たれてしまう。シュートがはずれてくれたのはラッキーとしか言いようがない。

 それでも、日本の守備陣はなんとか耐え続けた。そして、中盤でボランチの長野風花が左サイド(つまりトムセンのサイド)での守備に顔を出し、さらにシャドーストライカーの藤野あおばも豊富な運動量を生かして守備で貢献した。

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