成長を促した鈴木彩艶の台頭と2人のGKコーチによる指導【浦和レッズの好調を支える36歳GK西川周作の成長】(2)の画像
成長を続ける西川 撮影:中地拓也

 日本のサッカー界でも、次々に新しいスター選手が誕生している。だが、年齢に関係なく成長を続ける選手も、日本サッカーを盛り上げ続けている。サッカージャーナリスト・大住良之が、36歳でも成長を続ける浦和レッズGK西川周作に焦点を当てる。

■20歳での日本代表入り

 西川は1986年6月18日生まれの36歳。出身は、大分県の宇佐市である。大分トリニータのユースで育ち、プロに昇格。1年目の2005年にJ1リーグデビューを果たし、2年目からレギュラーとなった。U-20日本代表を経て2006年にはイビチャ・オシム監督の日本代表に選出され、サウジアラビア、イエメンと対戦した遠征メンバーにはいった。

 当時まだ20歳の西川をなぜ選んだのかを、オシム監督に直接聞く機会があった。普通ならそんな質問には答えないオシム監督だが、そのときは「足でのプレーを買っている」と正直に話してくれた。

 現代のGKとしては大きくはないが、ボールを受け、展開するプレーに長け、本来は左利きながら右足でも正確なキックができ、攻撃の起点となるプレーが持ち味だった。当時のJリーグには、こうしたGKはほとんどいなかった。2010年にはサンフレッチェ広島、さらに2014年には浦和に移籍してJリーグを代表するGKとして活躍してきた。この間にJ1とリーグカップを合わせて600以上の試合に出場し、日本代表でも31試合に出場している。

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