■慎重かつ丁寧な日本の攻撃

 それだけに、ワールドカップ出場権を懸けた準々決勝は非常に緊張感の高い試合となる。

 だが、今大会のU-20日本代表はヨルダンに対して完璧な勝利で世界大会進出を決めた。

 もちろん、緊張感がなかったはずはないのだが、メンタル面も完全にコントロールしながら、沈着冷静に、確実に勝利をもぎ取った試合運びは見事だった。

 ヨルダン戦では、試合開始直後(3分)にシーフ・アディーン・ダルヴィッシュにシュートを打たれる場面があったが、その後は攻守の切り替えによってヨルダンに決定機は一度も作らせなかった。ヨルダンがボールを持っても、すぐに複数の選手が囲んでパスコースを制限し、たとえそこでボールを奪い切ることができなくても、ヨルダンの選手たちはボールを自陣に戻すしかなかった。

 水を含んだピッチ状態の悪さなども計算に入れながら、日本は非常に慎重に戦った。

 サイドバックの高橋仁胡(FCバルセロナ)らは高い位置をとるが、無理な追い方はしない。ボールを奪われたら、前線の選手もすぐにプレスバックして奪い返す。もちろん、攻撃の手は休めないが、しかし、無理に攻め込むこともないし、オリジナル・ポジションからは大きく逸脱することもない。

 そして、テンポの速い大きなパスを回してヨルダンの選手を走らせ続けて、彼らの足を止めた。

 バランスを崩さず、丁寧に攻撃を続ける日本の選手たちは、なかなか攻撃が得点に結びつかなくても焦った様子はまったく見られなかった。90分(あるいは120分)を見通しながら、「後半になれば相手の足が止まる。そこで勝負」という試合前からのプラン通りの戦いだったらしい。

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