FC東京松木玖生ら新世代の選手たちが見せた、まったく焦りのない「大人びた試合」【U-20日本代表の年代別ワールドカップ出場決定の意義】(1)の画像
年代別ワールドカップ出場を決めたU-20日本代表 写真:アフロ

 U-20日本代表が、世界への扉を開けた。U20アジアカップでベスト4に入り、今年5月に開催される年代別ワールドカップへの出場権を手にしたのだ。この結果が持つ大きな意義を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■アジア突破の難しさ

 中央アジアのウズベキスタンで開催されているAFC U20アジアカップ準々決勝で、U-20日本代表がヨルダン代表を破ってベスト4入りを決め、5月にインドネシアで開幕するU-20ワールドカップの出場権を獲得した。「最低限の目標」を達成したことになる。

 ワールドカップ予選を兼ねたアジアカップ(前回まではU-19アジア選手権)では、これまで日本は何度も準々決勝で煮え湯を飲まされてきた。

 たとえば、2008年大会からは4大会連続で準々決勝で敗れて、ワールドカップ(当時はワールドユース選手権)の出場権を逃してきたのだ。

 現在の日本サッカーの実力をもってすれば、いずれのカテゴリーでもアジアの上位4位までに入ることはそれほど難しいことではない。

 ただし、それは年齢制限のないワールドカップ予選のように総当たりリーグ戦方式で戦えれば、の話である。

 カタール・ワールドカップ最終予選の初戦で、日本代表はホームでオマーンに敗れるという大失態を演じた(シーズン開幕直後に長距離移動を強いられたヨーロッパ組の選手たちのコンディションが悪すぎたためだった)。しかし、最終予選はホーム&アウェー全10試合の長期戦だった。その後、立て直しに成功した日本代表はライバルと目されたオーストラリアに連勝するなどしてワールドカップ出場権を獲得して、本大会でのドイツ、スペイン撃破という快進撃に繋げた。

 だが、年代別ワールドカップ出場権を懸けた各年代のアジアカップでは、準々決勝の一発勝負でベスト4入り=世界大会出場が決まってしまうのだ(オリンピック予選を兼ねたU-23選手権も同じだ)。

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