優勝奪還を目指す２０２３年シーズンを前に、川崎フロンターレは期待の新戦力を迎えた。その選手たちの特徴や素顔を、沖縄キャンプや麻生グラウンドなどでの取材を通して紹介する。第３弾は履正社高校から新加入した名願斗哉で、今回はその１回目。
沖縄キャンプでその存在感を最も強めた新卒加入選手はおそらく名願斗哉だろう。その最大の武器はドリブル。チーム内の練習で、そして、対外試合においても、その威力はいかんなく発揮された。
その期待は、練習試合の出場時間にも表れていた。公開された名古屋グランパス戦とサガン鳥栖戦で新卒加入選手としてはおそらく最長タイの出場時間で、主力組が出たある練習試合で途中から出場した少ない交代選手のうちの１人でもあった。
本人も手応えはある。名古屋グランパス戦後には、「（相手がプロでもドリブルで）抜けるのは抜けるし、ゴールのチャンスまでは行ける」と言い切ってみせた。実際、この試合では相手選手２人を置き去りにするプレーを見せた。
しかも、そのドリブルはテクニックを使ったものではなく、相手が引っ張ろうとするところをフィジカルの強さで強引に突破したものだ。それについても、「自分は相手によってドリブルを変えられる。なので、自分が抜ききれるなと思ったらきれいに交わすし、多少、タックル受けながらでも抜ける感じなら強引にでも行くという風に変えています」と話す。
