第2次森保ジャパンのスケジュールが動き始めた。3月の親善試合を前に、森保一監督はヨーロッパで視察を行い、準備を進めている。次回のワールドカップに向けて、日本代表はどのように歩みを進めていくべきなのか。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■序盤にメンバーを固定した理由
森保監督の2期目は、余裕を持った形でスタートすることができる。
ロシア・ワールドカップ終了後に代表監督に就任した森保監督は、秋の親善試合を通じてメンバーをかなり固定して戦った。トップに大迫勇也、2列目に伊東純也、南野拓実、中島翔也という形が基本形だった。
僕はチーム立ち上げの時期には「ラージグループ」を作る作業から入るのかと思っていたので、メンバーを固定して戦ったのは意外だったが、森保監督がこうしたやり方を選択したのは翌2019年1月にアジアカップが控えていたからだったのではないだろうか。
アジアカップまで時間がないので、メンバーをある程度固定せざるをえなかったのだ。
新たに代表監督に就任したばかりの森保監督は、アジアカップである程度の結果を残す必要があった。代表監督としての権威を確立するためである。
森保監督は、たしかにサンフレッチェ広島時代にJリーグを3度も制覇した実績を持つ名監督だった。だが、代表監督としてはまだ何の実績も残していなかったのだ。2017年に就任した東京オリンピックを目指すUー20代表監督として2018年にUー23アジアカップに挑んでいたが、ここでは準々決勝での敗退に終わっていた。