■セントラルMFは大激戦区に
セントラルMFでは、松下佳貴の完全復活が待たれる。昨年はシーズン前のキャンプでひざを負傷し、わずか5試合の出場に終わった。21年シーズンにゲームキャプテンも任されたレフティは、ゲームコントロールに長ける。彼がシーズンを通して稼働できれば、チームの戦いぶりも安定するはずだ。
アカデミー育ちの郷家友太(ヴィッセル神戸から加入)も、MFのひとりに名を連ねる。宮城県多賀城市出身の23歳は、中盤から前線のポジションをカバーするポリバレントな資質を持つ。
セントラルMFにはエヴェルトン、フォギーニョ、松下、梁勇基、中島元彦と、計算できる選手が揃う。となると、郷家は2シャドーの一角か。
中島も複数ポジションに対応する。2シャドーにも当てはめられる。シュートレンジが広く、CKやFKのキッカーにもなる23歳は、チームに欠かせない存在と言っていい。クラブにとって特別な背番号である「7」を背負う彼を、伊藤監督はどのポジションで起用するのか。
阪南大から新加入の工藤蒼生も、セントラルMFの候補に加えられる。即戦力として期待されるアカデミー育ちは、1年目から試合に絡むことができるか。
両ワイドは右が真瀬拓海と蜂須賀、左が内田裕斗と秋山陽介の争いになる。秋山はジェフユナイテッド千葉からのレンタルバックだ。ともにレフティの内田とのポジション争いは、お互いのレベルアップに結びついていく。蜂須賀は左サイドでもプレーできる。
2シャドーは遠藤康、氣田亮真、加藤千尋、鎌田大夢、オナイウ情滋らが候補になりそうだ。サガン鳥栖から期限付き移籍の相良竜之介も、2シャドーの候補だ。
現時点では遠藤と氣田のスタメン起用が濃厚だろう。そのうえで、ジョーカー的な存在の登場が望まれる。加藤はパンチ力のあるシュート力が持ち味で、オナイウはスピード豊かな突破力が武器だ。
鎌田は技巧派のMFで、パスセンスに秀でる。相良はパリ五輪世代の20歳で、FWでもプレーしてきただけに決定力を備える。異なる個性を持つ選手たちが切磋琢磨し、チームを底上げしていきたい。