■「構成員てなんすか(笑)」

 しかも、ピッチ外でもコミュニケーションは取れている。車屋は、「こないだのオフにもゴルフ行ったりとか」と明かしたのだ。ゴルフには、「8人くらいで行ったんですけど、僕が初心者でカミくんが教えてくれて。カミ君はすごく上手で、僕がすごく迷惑をかけて(笑)。僕はずっと走りまわってたんですけど(笑)」と笑顔を見せた。

 ここにも車屋軍団の香りがしたので、直球の質問を投げてみた。それは、“構成員”は何人いるのかということ。すると、「構成員てなんすか(笑)」と、一歩後ずさりながらこの取材で一番の笑顔。

 そして、「僕自身も分かってないです。まったく把握できず。僕が招集したわけではないので(笑)」とまさかの回答が返ってきたのだった。自ら求めずとも放たれる求心力が若手を周囲に招き寄せるということのようで、「軍団」という強い言葉とは裏腹に、人徳によるものが大きいようだ。

 そこで最後に“軍団長と言う認識は?”と質問をしてみた。周囲から寄ってくるとはいえ、頼りにしている後輩への気持ちを確認したかったからだ。するとこの質問に、「それはあります(笑)」と即答。ややはにかみながら、その一言を残して宿舎へと戻っていった。

 図らずも、軍団の実態と車屋の新しいチーム作りの中での現在地が分かったことに。2月5日には沖縄では最後の練習試合が行われるが、周囲をけん引するプレーと求心力がどのように発揮されるか、今から楽しみで仕方ない。

(取材・文/中地拓也)

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