■求められる試合を支配する力

 いずれにしろ、世界との真剣勝負」は、従来と同様、ワールドカップ以外にない。オリンピックに出場して前回のように6試合を戦うことができれば大きな強化につながるが…。となれば、日本代表の成長とは、個々の選手の成長にかかっている。昨年のワールドカップではドイツとスペインに勝つという快挙を成し遂げたが、どちらも試合自体は相手に完全にコントロールされていた。日本がコントロールできた時間はほんのわずかだった。

 ボールの保持率に関係なく、どんな相手でも対等に試合をコントロール下に置くことができるチームにならなければ、ワールドカップでベスト8に進むことはできない。コントロール下に置くとは、相手にボールを保持されても決定的なチャンスはつくらせず、保持時間にかかわりなく決定的な崩しとシュートの形にもっていけることを意味している。

 そのうえに、チャンスをつかんだらシュートを決めきる力をつけることだ。「攻撃力をもったセンターフォワードの育成が急務」と、今回の就任会見で森保監督は語ったが、その努力は必要ではあるものの、それに頼らず、全ポジションの選手がシュートチャンスを確実に冷静に決め切る力を養うトレーニングを徹底して積まなければならない。

 FWであろうとMFであろうとコンスタントに得点できる選手であれば、どんなクラブでも重用されるはずだ。そして高いレベルの試合に出続けることによって、試合をコントロールできる個が生まれるのだ。

 2022年ワールドカップの時点では、欧州のトップクラスのリーグでレギュラーとして試合に出ている選手が10人ほどだった。それが15人、20人となり、さらに高いレベルのリーグやクラブでの活躍にならなければ、森保監督が言う「新しい景色」を見ることはできない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3